[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
珍しくレイヴンが紅煉の狩りに付き合う話。
ちょっとトドメが肥大化させすぎた気もする´・w・`
青色の葉が風に揺れる。
俺は近隣の町からの依頼で魔物狩りに来ていた。
なんでも最近町の外で木の焼けた後が見つかったそうだ。
確かにこの森には度々火の魔物が現れる。
放っておくと火事になるからさっさと討伐しなきゃなんねえって訳だ。
いつもなら俺一人。若しくは流牙が付いて来るんだが、今回は珍しくレイヴンが付いてきた。
憂さでも溜まっているのかと聞いてはみたが、いつも通りダンマリだ。
イリスが言うには別にストレス類は無いようだったが、俺はなんとなくレイヴンは何か理由があって付いてきたんじゃないかと思えた。
ん?その根拠はなんだって?
レイヴンは常にイリスの傍にいる。イリスの安全が確認できないと絶対に付いて来ない。だから基本は深夜の狩りにしか付き合ってくれないんだよ。
だが今回は日中だ。太陽は真上にあるし、こんな時間に付き合ってくれるなんて何かあったとしか思いつかない。
まあ、何はともあれ仕事は仕事だ。
レイヴンが付いて来ると何かと便利だし、俺は同行を承諾した訳だ。
「で、これがその燃え跡な訳か」
木が丸々一本、綺麗に焼き尽くされていた。
刀の鞘で叩いてみると澄んだ良い音がした。表面だけではなく中まで燃えたなコレは。
それほどの力を持った魔物が相手になる。そう考えるとすこしゾクゾクする。
今まで見た魔物と言えば爪や鬣が炎で出来ているか、若しくは火を吐く程度。しかもその力は俺の焔には到底及ばない。
久しぶりにスリル感を味わえるかと思った時だった。不意に周囲の木々がざわついた。
気配らしき物は感じ取れないが、近くに魔物が居るのかもしれない。
俺は早速探そうとしたが、急にレイヴンに肩をつかまれた為足を止めた。
「何だよ?」
「……構えろ」
何故、等という戯言聞き返す前に俺は周囲の様子に気付いた。
木の陰に居るらしい複数の影。俺では集中してようやく察知できるほど気配を殺している。
やれやれ、流石帝国イチの魔剣士サマだ。感知能力も俺より数倍上か。
「あーあ、面白そうな魔物かと思ったのに、とんだ災難だな」
恐らくこれは俺を誘き寄せるための罠だ。この森で火の魔物が出れば、討伐に俺が出てくる事を見越して。
俺は刀の鞘を取払い、レイヴンは空間から長剣を取り出す。
俺達に察知されたと分かったのか、連中も気配を殺すのを止めた。それと同時に何本かの投げナイフが飛来する。
俺は左に、レイヴンは右に避けてナイフを回避すると、ナイフは炭化していた木に突き刺さった。
一番近くに居た相手を斬るべく隠れているらしい木に近付くと、またナイフが飛んできた。
勿論ナイフ如きに怯む俺じゃない。身を翻してナイフを避けるが、八方から飛んで来るナイフの群れに近寄る事が出来ない。
だが相手が誰かと言うのは把握できた。こいつ等は帝国兵だ。
しかも俺にとって見覚えありまくりの武器と戦法からして暗殺部隊の連中だろう。
俺は期を見計らってから再度突撃。ナイフを避け、弾き、進む。
暗殺部隊の特徴はよーーーっく知っている。姿を見せないような奴等は飛び道具が主な武器で、接近されると大した戦法が無い。
つまり、俺が進むと連中は後退するかナイフの量を増やすかのどっちか。
ああ何て単純な戦法だ。
しかし流石の俺でもこれ以上ナイフが増えたら面倒極まりない。
俺は背後にいるレイヴンの様子を確認し、見計らってから大きく真上に跳躍した。
背後にいたレイヴンは腕に巨大な雷を纏わせていた。
媒体である長剣を手にしているから普段より威力が上がっている事だろう。
気付いた兵達が後退し始めるが、空間転移でもしない限りレイヴンの雷から逃げ切るなんて到底不可能だ。
レイヴンの掌が前に突き出され雷が放たれる。
同時に俺も両手に焔を生み出し、眼下目掛けて放つ。
蒼い雷と黒い炎は轟音を響かせ森の一角諸共兵達を消し飛ばした。
そして俺はレイヴンの傍へ着地し、刀を掃ってから鞘に納めた。
「おいレイヴン、さてはお前連中が来るの知ってて同行しやがったな?」
闇魔法には遠くの影を通じて情報を仕入れる術が存在する。
恐らくそれで帝国の動向を探っている内に知ったのだろう。
確かに俺一人だったら少しばかり苦労したかもしれない相手だ。
流牙が一緒だったとしても……いや、アイツは俺みたいに同胞を殺すような真似はできないからな。
「ったく、先に言ってくれればこんな無駄足踏むような真似しなかったじゃねェかよ」
レイヴンは応えない。
ただ目前に出来ただだっ広い焼け野原を見据えている。
「……大丈夫だ。青の森の草木は再生早いからひと月そこそこで元に戻るさ」
だから俺が大暴れしても何も文句言われないしな。
そう付け加えるとレイヴンは目を伏せて踵返した。
「お、おい何処に行くんだよ?」
「……戻る」
そう言うや否や足元から影が飛び出し、レイヴンを包み込む。
そしてその影が消える頃にはレイヴンも居なくなっていた。恐らく転移で先に帰ったのだろう。
……まあ、確かに今回の原因は帝国の仕業だったっぽいし、普通の魔物相手なら俺一人でも支障は無い。
このまま帰るとしても一旦依頼人の元に行って事情を説明しなきゃならない。一応報酬もあるだろうしな。
残された俺は青の森を後にした。